BLOG 1. コラーゲンとは何でしょう

1. コラーゲンとは何でしょう

2021.04.30

タンパク質の一種であるコラーゲンは、私たちのからだのいたるところに存在し、あらゆる組織を形作り、維持するという重要な役割を担っている、根源的な成分です。私たちのからだは多数の細胞からできていますが、コラーゲンはその多くの細胞と細胞をつなげる細胞外マトリックスとして存在します。

コラーゲンが、皮膚や臓器、骨などを作る細胞をつなげる足場として組織を形作り、血管から細胞に栄養・酸素を運び、老廃物や二酸化炭素を運びだす役割を担うことで、ヒトのからだの細胞は、安定した生存環境を得ることができています。またコラーゲンは、水分やカルシウムなどを皮膚や骨の組織に保持・定着させる役割を担っています。まさに、からだの根源的な成分なのです。

少しずつですが、説明をしていきますね。


a. コラーゲンは、人を含む多細胞生物が必要とする基本的成分

そもそもコラーゲンは単細胞生物から、多細胞生物に進化する過程でできた成分とされています。

コラーゲンは1000個のアミノ酸の鎖が3本、互いにらせん状にねじれあう構造を作っています。この鎖が互いに結合する化学反応には「酸素」が必要であり、地球上の酸素が適した濃度に達したのは約10億年前とされ、このころに単細胞は集合体を作り、多細胞生物に進化したと考えられています。

最古の多細胞生物は、いわゆる「海綿」と呼ばれる生物とされており、コラーゲンの原型となる「スポンジン」という成分にてからだの構造を作っています。

「海面動物」Wikipedia : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%B7%E7%B6%BF%E5%8B%95%E7%89%A9

「スポンジン」Wikipedia : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%B3

(;´Д`)海綿て、英語でスポンジ(sponge)なんですね。


その後、地球は「全球凍結」という状態を経て、海中や大気中の酸素濃度が高まり、多種多様の生命が一気に誕生する「カンブリア紀」を迎えます。


細胞と細胞をつなげている「細胞間基質」がコラーゲンになります。

水分を除いたカラダの構成成分のうち、一番多いのが「タンパク質」です。こはのタンパク質のうち、20~30%をコラーゲンが占めています。

からだの中に存在するコラーゲンは、細胞と細胞をつなぐ接着剤とし、組織を守る膜として、骨、血管、各種器官を形状を維持する構造材として、からだの全てを丈夫にしています。弾力性、強度に寄与し、からだの各組織・部位の機能を維持しています。

コラーゲンが細胞をしっかり固めれば、風邪のウイルスも容易に侵入できません。


b. コラーゲン=タンパク質=アミノ酸が多数結合したもの

私達はコラーゲンを含むタンパク質を、普段の食事から栄養として摂取して、カラダの一部にしています。

からだの中にあるコラーゲン分子(ペプチド)自体は、アミノ酸から構成されており、アミノ酸分解時に必要な酵素の働きによって、体内で再びコラーゲン分子として構成される、とされていますが、未だ研究が待たれている分野です。

コラーゲン分子の代謝自体は、タンパク質の中でも非常に遅く、再産生に時間がかかるものとされています。

コラーゲンは、からだを維持するのに欠かせない必須の成分なのです。


過去のブログ