BLOG 5. 減少・老化の仕組
5. 減少・老化の仕組
2021.08.30
コラーゲンはなぜ少なくなるのか
コラーゲン産生量(能力)の低下については、これは血流低下による繊維芽細胞などのコラーゲン産生細胞量の減少、そもそも血流中のコラーゲン分子量の減少(食事や、消化能力の低下など)など、複合的な要素によるのですが、基本的には老化の仕組みと同様に、加齢によりコラーゲン産生が減少していきます。
コラーゲンの劣化(老化)の仕組み
20歳を過ぎる頃から加齢に伴い、ヒトが炭水化物からエネルギーとして利用しているグルコース(ブドウ糖-もとは炭水化物)によってコラーゲンにも糖化が発生し、終末糖化産物(AGE)蓄積や分解性が低下します。
コラーゲンの糖化は、コラーゲン繊維間の架橋(繊維をつなぐ橋)を劣化させることから、繊維芽細胞の足場としての機能を低下させ、細胞死・アルツハイマー病等を引き起こし、皮膚には張りをなくし、関節や血管を硬くさせるなどの老化現象に関わると考えられています。
特に皮膚(肌のはり低下)、骨(骨粗鬆症、骨強度低下)、関節(変形性関節症)などの老化や疾患の進展と深く関係しています。老化現象や老化疾患の発症・進展を予防するためには、①コラーゲンの適切な再産生と、②糖化リスク低減させることが重要なポイントになります。
余談: コラーゲン合成不足による影響(昔のお話)
帆船時代の船乗りがわずらったとされている壊血病は、ビタミンC不足でアミノ酸からコラーゲン合成ができなくなって起きる病気でした。 現代ではよほどのことがない限り起きません。この壊血病の症状は、コラーゲンが正常に合成・更新できないと起きる症状に相当しています。コラーゲン合成ができないために、血管組織がもろくなり、細い毛細血管から破綻し出血します。